エーコ選手名鑑②「森本伊知郎」その2⃣

伊知郎が中学生の時代、兵庫県には中学生男子で各種目で全国トップレベルの選手がいた。
伊知郎より学年が一つ上だった自由形の「川渕司」背泳ぎの「小東和也」平泳ぎの「高田幸典」の３人だ。
伊知郎が中２で決勝に残るだけの年、この３人は皆が、揃って表彰台に上がっていた。
小学生だった選手が中学生になるということは・・そう、ここから先は「ごまかしの指導はない」
先ずは、目の前の目標をしっかりと理解させることが大切。「空想」「夢」ではなく目で見て・・。
それを見て、それを見せて・・「来年こそは・・」と常々話していたように思う。

ピープル加古川では年齢が一番上で、初めての日本室内や、日本選手権に出て行った選手。
ということは・・・コーチの『エーコも初めてじゃん❢❢❢』
全国JOには慣れて来た（と言ったら偉そうやけどさ・・）感はあったけど、初めての室内や日本選手権などは
バリバリのミーハーやった。
ソウルオリンピックから戻って来た「鈴木大地」ピープル初のオリンピック選手の「細田朋美」や「中野亜弥子」
そんな選手をマジかで見れるのがメチャクチャ嬉しかったし、伊知郎を泳がせる以上にワクワクしていた。

当時の伊知郎の種目の第１人者、今は近大の田中先生。初めて田中選手を見たのは、今はない大阪プールの関西選手権。
田中選手がW-UPをしてる時から、レースの泳ぎから、ラップタイムやダウンの泳ぎまでマジマジと見てたと思う。
２分１秒で泳がせるには・・どうするんやろ？？？と、、ただただ、それだけの疑問やったと思う。

そんなミーハーなコーチが一番勉強になったのが「選手に直接いろんなことを聞く」ことやった。
伊知郎が高校１年生の国体の時、「あの子、教えて・・」と話したのが「三好智弘」やった。
智弘は何位やったのか覚えてないけど、ダウンプールで元気にダウンしてて、まぁ、カッコ良い選手やった。
智弘はもう忘れてるよなァ。エーコが「あんた、三好君？エーコ伊知郎のコーチやねん」と話したと思う。
その年・・
今でいう「ナショナル合宿」にエーコも参加した。その年、バタフライの高校生男子がメチャクチャ
レベルが高く、男子は人数が多かったと思う。なので、、、もちろん、コーチもたくさんの数が来られてた。
バタフライチームのヘッドをされてたのが当時の智弘のコーチの「黒澤コーチ」やった。
そんな「合宿」はエーコにとっては、聞きまくるええ「機会」で、解らないことは聞く、しかも遠回りせず
聞いて一番回答の早い人に聞く。。。。そんな‥スタンスがエーコの「基本」やった。
一人の目で見て選手を作るより、もっともっと経験のあるコーチに「どうですかね？」と聞いた方が早いし、
確かだ。自分で悩んでモヤモヤするよりよっぽどええやん❢❢
どんな偉いコーチでも、若いコーチから（その時代のエーコやで！）何かを聞かれたり、質問されたら嘘や
ええ加減なことなど言わん❢　よりも、一生懸命に何かを教えてくれる。伝えてくれる。
そんなことを楽しんでいた。
その上で・・
これからは日本選手権で泳げるようにならなあかん。大きな試合でビビらず泳がせなアカンと思ってた。
けど・・どうする？？・・どうする？と思った時、、、とても簡単なことを思った。
周りで泳ぐ速い選手をエーコも伊知郎もよく知ってたらええんやん・・・と思った。
レースで泳ぐ前に潰れる、潰されることのないようにしたらええんやん・・と。
なので、あの当時の選手たちは・・今でも・・なんか繋がりがあるような気がするな❢❢
けど、当時のコーチはもう、ほとんどおられない（コーチを卒業）のではないかなぁ？？

高校３年生の「ピープル招待大会」でエーコが目標にしてた200バタ「２分１秒」で伊知郎が泳いだ。
（短水路やで・・）そこで、ひとつ、エーコの役目は終わった様な気がした。
最後の室内選手権でも4位で・・ここから先は東京に行って頑張れよ❢で、エーコの所を卒業して行った。
　最後の全国ジュニアオリンピックは美佳も一緒やった。

コーチの仕事は「選手を伸ばすこと」やと思うねん。けど、コーチにはいろんな経験が必要やと思うねん。
経験も何もない時には「イケイケドンドン」で何も怖いものもなく、突進、突き進むことが出来る。
いつもレースで思うように泳げなくて、何時も同じ選手に負けてたりして「なんで負けるんや！！」と
ボロクソに言い、暴れてた時代も長くあった。
けど、それだけでは壁が来た時に、避けてしまう、立ち向かうことが面倒くさくなるねん。
エーコはどちらか言うと‥「選手がきちんとしてたから、エーコもきちんとせなあかん」
森本伊知郎という選手がクソ真面目で、実直な奴やったから、エーコに「コーチの責任」という言葉を教えた、
教えられたように思う。

兵庫県の当時の選手がよく知る話で・・・伊知郎が高校3年生冬に1500m自由形をエントリーした。
もちろん、1500m自由形など泳いだことがなく「生涯、最初で最後やろうからエントリーするで」と。
で、泳ぐ前にエーコが「どうせ泳ぐなら為になるように泳ぎや＝積極的に泳げよ」と話した。
ら・・・あいつは1500ｍを全てバタフライで泳ぎ切った。それが自分の「為になるレース」やった。
もちろん、会場中のみ～～～～～んなが、エーコを見て「バタで泳がせるか？」位の顔をしてたし(´;ω;｀)っ
あるコーチには「エーコ、後ろでフリーを泳ぐ奴のコーチはたまらんぞ・・」と言われた。
あいつは・・そんな奴やってん。

そんな奴を最初に見てたから・・頑固一徹なコーチが出来たんかもしれん。で、なければとっくにコーチは
辞めてたと思っている。長い間・・顔見てないけど、もう50のおじさんやなぁ～(#^^#)　

　　　　　　　もちろん・・・「号泣」😢